第５６話 焼き肉店で打ち上げを！

影の兵士がダンジョン内のモンスターを倒す。

初めて影の兵士を見た諸菱くんは非常に驚いていた・・・。

な・・・なんですかこいつら！？

初めて見せた影の兵士に対して旬は冷静に

「俺のスキルの一つかな。」

と言う。

諸菱くんは驚きの連発だった・・・。

「まぁあると便利だぞ勝手に戦ってくれるし、雑用までこなすしな。」

と旬が言うと、今度はがっかりとした様子の諸菱くん。

「水篠さん・・・せめて魔法石くらい僕に拾わせてください。」

なんで？と旬が聞くと・・・

「僕の役目を取られたような気がして悲しいです・・・。」

と落ち込んでいた。

変な奴っと思いながらもクスっと笑う旬。

影の兵士達は諸菱くんに魔法石を渡すと、諸菱くんは怖いと思いつつも、

「ありがとうございます。」

そう言い、魔法石を受け取った。

諸菱くんとレイドを回るのも明日で最後だ・・・

と旬は思い、そしてその翌日・・・

諸菱くんと約束していた全１９回のレイドが終わった・・・。

アメリカ東部ー

とあるＡ級ダンジョンにて

「オーノォォォォォッ！！」

ジェームズというＡ級ハンターは驚いていた。

全員やられてしまった！し・・・信じられない・・・。

人間型モンスター！？

このダンジョンに潜ってからここに来るまで一匹もモンスターがいなかった・・・。

おかしいと思ってたんだ・・・。

「まさかボスの部屋にあんな怪物がいるとは！」

ジーザスは恐怖でしかなかった・・・。

たった一人なのに漂ってくる魔力はＡ級ダンジョンを超える！

信じられん！一体どれほど固いモンスターなんだ！？

「おい。」

と人型モンスターがしゃべりだす・・・。

「う・・・うわぁぁぁっ！来るなっ！」

とジーザスは腰が抜けた様子だった。

「大声出さないでくれ！耳が痛い・・・安心しろ、殺したんじゃなくて全員気絶させただけだから・・・。

なんでよってたかって攻撃してくるんだよ？俺は人間だって言ってるだろ。」

人型モンスターと思っていたが、実は日本人だった・・・。

「って通じるわけないか。英語は俺もさっぱりなんだよなぁ・・・。」

ジーザスは震えて声も出なかった。

「アイムジャパニーズ。

アイウォントゥーゴーホーム。」

とある焼き肉店にてー

旬が諸菱くんと打ち上げパーティーをしていた。

「これで約束通り19回クリアだ。」

「すみません水篠さん。最後の日はもっといい店にお連れしたかったんですが・・・。」

と高級レストランに本来は連れていくべきだったかと思った諸菱くんは申し訳なさそうに旬に言う。

旬が諸菱くんの気を使い謝罪する。

旬はビールを飲みながら諸菱くんに言おうとするも、システムの影響でアルコールを摂取しても解毒が完了される・・・。

「これからの計画は？レイドも終わったことだし。」

と旬が諸菱くんに質問をする

「協会で簡単な筆記試験を受ければギルドマスター免許が取れるので、それ持って父に話をしてみるつもりです。」

とお酒で乾杯をしながら諸菱くんは旬にこれからの計画を説明していた。

水篠さんとの約束もかかってる

そう思い考え込む表情な諸菱くん。

旬も同じように考えていた。

30億のビルはもらえたらうれしいけど・・・それはおまけ程度にしか考えてなかった。

本当の目的はレベルアップ。

目標はとっくに達成できてるし、これ以上こいつと絡む必要はない。

そう思いステータス画面を確認する。

だけど・・・。

考えてる途中で、肉を食べながら諸菱くんは旬に質問をする。

「水篠さんはこれからどうするんですか？」

旬は以前挑んだ悪魔城のカギを見つめ・・・

「しばらくは連絡つかないと思う。ちょっと行くとこがあって。」

と言い、カギをぎゅっと握りしめる。

しかし、酔っていた諸菱くんは

「水篠さん、僕のこと面倒に思ってるなら正直に言ってください。もうご迷惑をおかけすることもありませんから。」

と言うと、旬はこいつ・・・また変な誤解してると思っていた。

そんな旬は諸菱くんに質問をする。

「諸菱くん。俺のことどう思う？」

そう聞くと諸菱くんは、

「・・・僕には10個離れた兄が一人います。兄は僕のこと嫌ってて兄弟でなにかをしたことってあまりないんです。

それなのに水篠さんは僕の命を助けてくださっただけでなく、僕のお願いを聞いてくださったし・・・。

水篠さんが僕の兄貴だったらなって思います。」

旬はこんなに慕ってくれる人がいるなんてって思い驚いていた。

「それなら・・・

今日からお前は俺の弟だ。」

うれしかった旬は素直にこう答えた。

「み・・・水篠さん・・・。」

泣きながら諸菱くんが旬の名前を呼ぶ。

嬉しさのあまり旬に抱き着こうとする諸菱くん。

二人が話してる途中でＴＶで

「新人訓練中に大きな事故があったとのことですが、詳しくご説明ください！」

と何やら騒がしい感じだった。

「上級ハンターは亡くなったにも関わらず下級ハンターが生還したというのは本当ですか？」

「生存者の方たちが誰かに助けられたという話もありますが、それについて何かご存じですか？」

メディアは慌ただしかった。

「事故が起きたのは事実です。協会側の調査はすでに終わっており、助力者の存在などは確認できませんでした。」

旬が助力者？と思いながらもＴＶは続く。

「それならどうして生存者の方へのインタビューの場が設けられなかったのでしょうか？」

今のって俺のことだよな？と旬は思っていた。

そう・・・レッドゲート事件のことが話題になり、ＴＶで白川社長が会見していたのだった。

白虎ビルにてー

疲れ果てていた白川社長は

「報道関係者ときたら・・・なんでも嗅ぎ付けるんだな。」

ふぅっとため息をつき、椅子に座る。

「社長！美濃部ハンターからお電話ですが、お繋ぎしてもよろしいですか？」

「剛が？わかりました、繋げてください。」

引退したＳ級ハンターの美濃部　剛ハンターから電話がかかっていた。

「大虎さん、なんで携帯の電源切ってるんですか？」

「マスコミが静かになるまで隠れていようと思ってな。」

と話していた。

「あ～レッドゲート？俺もさっきＤＦＮでニュース見ました。」

「えっ？今ＤＦＮなのか？」

「大虎さんテレビ映りめっちゃいいじゃないですか。」

「思ってもないこと言うな。」

親しげに話をする様子だった。

※ＤＦＮ：東アジアに位置する島国。安定的な経済力を基に隣接している日本はもちろん、世界中に影響を与えている。

「多分あれすぐに静かになると思いますよ？ビックニュースが一つあるんです。」

と美濃部ハンターが言うと

「ビックニュース？今ＤＦＮなんだろ？」

となんのことだろうと思いつつ聞いてみると、

「一週間前からＤＦＮからハンター協会にこっそり連絡があったんです。それで来てみたら思ったよりヤバそうで・・・。すぐに日本でも報道されると思います。」

「ＤＦＮが日本のハンター協会に連絡を？どんな用件で？」

「”架南島レイド”に参加したハンターの諮問を受けたいっていう内容でした。」

その内容に驚きを隠せなかった白川社長。

「詳しく聞かせてくれ。」

詳しい話を美濃部ハンターに電話で問う。

「四年前架南島に現れたＳ級ゲート。三度の討伐作戦がすべて失敗に終わり、結局政府も架南島を見捨てたじゃないですか？

四年が経った今もアリがうじゃうじゃしてますし、あのとき俺も大虎さんもマジで死にかけたの覚えてますよね？」

「・・・あぁ思い出したくもない。」

四年前にＳ級ハンター達で挑んだ架南島レイド、白川社長と美濃部ハンター達は参加して失敗をしていたのであった・・・。

「あれ新種が現れたみたいなんです。」

「新種？

でもどうせ関係ないだろ島の中にいるんだからほっとけばいい話。」

「それが・・・

島の外に出てこれちゃうんです。海の向こうまで跳んで！

ＤＦＮ近海で羽のついたアリの死体が見つかりました。

あいつら・・・恐ろしいまでの進化を遂げています！！」

感想

さて、何度か話に入る架南島レイド。

実はこれは四年前に日本のＳ級ハンターたちはもちろんのこと、Ｓ級ハンターだけで挑んだレイドで失敗し、ゲートブレイクしてしまったのだった。

中にいたモンスター（蟻）は外に出て、人類を滅亡したのだった。

幸い諸島だったのがよかったため、政府は架南島を捨てざるを得なかったのです。

この話は後々出てきます。むしろ・・・

さてネタバレはここまでにして今回は旬と諸菱くんが焼き肉店で盛り上がってるところにレッドゲートの話と何気に意味深い内容となっています。

諸菱くんはかわいいし、変な勘違いをするのがまた難。

ちなみにこの焼き肉店はレイド19回終わった打ち上げだと思います。

どんどん内容が深くなりますが、何度も見返したりするとああ、こうなってるのかとなるので本当に俺だけレベルアップな件は面白いです！

アニメ化希望！！ｗ