第68話 ハンタースもう一つの攻撃隊
旬のことを調べる雫。
他のギルドのスパイなんじゃ・・・
と思っていた。
「ひょっとして・・・協会所属のE級ハンターのことですか?」
電話の相手は旬のことを知っていた。
旬のことは最上代表も調べていた・・・。
しかし、二人とも旬のことを調べようとしたが、ハンターの情報が見られないようになっていた・・・。
トップレベルのハンターであれば協会がロックするのだが、現状E級なのでロックしてるのは不思議だと言う。
ハンタースの代表が正体を知りたがっていて、協会が情報を隠そうとするE級ハンター・・・。
調べてもロックされているので通話をやめる雫。
その夜ー
成果が出なかった雫はベなかなか寝付けないまま寝返りを打った。
旬のことを考える雫は考える。
気になる。これまでいろんなハンターに会ってきたけど・・・。
良い匂いがしたのはあの人が初めて・・・。
発掘チーム現場にてー
旬はかつての現場風景を思い出していた・・・。
しかしそれは幻想であり、現実は違っていた。
しかし、悪い気はしなかった。
旬はそっと苦笑いをする。
発掘現場のチームメンバーから声がかかる。
「発掘チーム午前の作業はここまでにする!」
「休憩挟んで続きは午後からだ!」
そういって休憩をしていた発掘メンバーの前にとある人が現れた。
「あの~発掘チームから一人お借りしてもいいですか?荷物の運搬担当が来てなくて・・・。」
そういって現れたのは攻撃隊のメンバーの隊長の外園(ほかぞの)だった。
発掘チームはみんな嫌そうにしていた。
運搬チームのチーム長が来て
「昨日ぶっ続けで作業する羽目になって夕食を食う暇もなかった・・・。
それなのに今度は荷物持ちをしろだ・・・?発掘チームが作業をやたらと早く終わらせるから悪いんだろ。そっちの誰かが行ってくれ」
と言っていた。
チーム長も悩んでいた。
誰もが行きたくなかった・・・。
単純な答えだ・・・死にたくないからだ・・・。
チーム長も心配をしていた。
再びチーム長が現実を言う。
外園隊長は
「誰も・・・いませんか?」
と悲しそうに言う。
しかし、挙手をする人がいた。
旬だった・・・。
発掘チームは皆驚いていた・・・。
「E級がA級ダンジョンに!?」
と・・・。
実は旬は目的があって挙手をした。
他の攻撃隊のレイドを間近で見ればいい勉強になるはずだ。しかもこれはA級ダンジョンのレイド。まして日本最大級のギルド・・・ハンタースの攻撃隊。
発掘隊のメンバーが
「あの人昨日初めて来たんで何も知らないんです。」
皆はE級だからーと止めてはいたものの、外園隊長が旬を選ぶ。
「攻撃隊の隊長を任された外園 文章(ほかぞの ふみあき)です。」
と言い、旬が荷物持ちになった。
ゲートをみて旬は
昨日のゲートもデカかったけど・・・今日の方がデカい気が・・・。
そう思った旬は外園隊長に言う。
「かなり大きいですね。」
「発掘は昨日がはじめてだったと聞きました。ということはA級ゲートを見るのは今日が二回目ですか?」
と外園隊長は旬に対して優しかった。
「今日のゲートは大きいですが、魔力の量は昨日より少ないそうです。危険度が高ければ二軍のうちが任されるわけありませんし・・・。」
と旬に安心感を与えていた。
ハンタースの二軍・・・。S級がいないだけで昨日の攻撃隊とそこまで力の差はない。
A級11人、B6人。ほかのギルドにいれば絶対に二軍なんかに配置されない人たちだ。
「では潜りましょう。」
外園隊長の掛け声でメンバー達がダンジョンへ入ろうとしていた。
旬は
たしかに・・・流れ出てくる魔力は昨日よりずっと少ない・・・。
協会の測定結果が間違っているとは思わないが・・・。
なぜだろう?
レッドゲートを前にした時のように妙に不吉な予感がする・・・。
気のせい・・・だよな?
攻撃隊じゃないんだし、余計な心配をするのはやめよう。
そう考えていたが、旬もダンジョンへ入っていった・・・。
攻撃隊のメンバーが旬を見て気を使ってくれていた。
本当にいい人だらけなメンバーだった。
話しかけてくれた人はA級ヒーラー。
観月さんがB級だったけどトラウマさえ克服できればこういうとこにいてもおかしくない人だった・・・。
ここのB級は6人ともA級に近い水準。ハンタースはこんなレベルの攻撃隊を二つも持っている・・・。
そして魔法の言葉を教えてもらう。
魔法使いがやられるとそれはタンクの責任。
ヒーラーがやられるとそれは攻撃隊の責任。
荷物持ちがやられるとそれはギルドの責任だ。
それぐらい旬が標的になるようなことは起こらないってことを教えてくれた。
しかし、荷物持ちが攻撃される・・・それは攻撃隊の全滅を意味する・・・。
そしてまた、外園隊長もハンタースではじめて攻撃隊の隊長を任された模様。
このレイドが終われば正式にBチームの隊長に任命される。
S級ではなくても、外園隊長はトップレベルのA級ハンターなのだ・・・。
カサッ
奥から音が聞こえた・・・。
全員指示なしに戦闘態勢に入る。
それを見た旬は
これがA級攻撃隊かっ!
と驚いていた。
音が徐々にこちらにやってくる・・・。
モンスターの姿を見た外園隊長は・・・
「あ、あれは・・・!」
と驚いていた。
感想
再びやってきたA級ダンジョン。
昨日入ったゲートよりかは魔力は小さいが、何やら違和感を感じている旬。
旬の読みは当たっているのだろうか・・・。
外園がみたモンスターとは一体なんだったのだろうか・・・。
ハンタースのゲートから俺だけレベルアップな件はハラハラしながら先が気になります!
一体この先何が待っているのだろうか・・・・。