第65話 旬の次の目標のための行動
ハンターオークション:
ハンターがレイド中に入手した材料やアイテムをオークションにかけたり販売することができる実店舗またはネットショップ。
日本のハンター数は数万人。
オークションではハンターがより手軽に装備を売買できる。
ハンターにとって装備は命綱のようなものだ。
いいものを使えばそれだけリスクを軽減できるということは言うまでもない。
比較的収入が少ないD~E級ハンターはなかなか装備をそろえることができないが、安定した攻撃隊に入れば話は変わってくる。
ハンター用の装備には魔力が込められており、D級が使用するみずぼらしい剣ですら数十万もする・・・。
高収入が約束されているC級以上であればより安全で素早く狩りを行うため道具に金を惜しむ必要がない。
上級ハンターが使用する装備の価格は億を超えるものがほとんどだ・・・。
いいものほど一般人じゃ手の届かないような値が付く。
悪魔の城は先に進めば進むほど火属性の攻撃が増えてくるだけでなく、フィールド自体が燃えていたりするため、体を守る装備が必要だ。
旬はこれから先の悪魔の城に進むため、装備をそろえる必要がある。
そのため現状不必要な”貧欲の玉”を売るつもりだった・・・。
しかし”貧欲の玉”を売るにしてもこの効果は魔法攻撃力を2倍にする。
最上級のアーティファクトも力がせいぜい20~30%アップするだけである・・・。
つまりきっと高価で売れることは間違いないが・・・
問題は旬がこれをどうやって得たのか説明しないといけないこと・・・。
いくら再測定判定といっても現状はE級・・・。
どうやってE級がこんな高価な品を出品したのか絶対に何か言われるのだ・・・。
S級ハンターであればある程度納得はするものの、現状は難しい・・・。
S級の新しいハンター資格証がもらえるまではまだ時間がかかる・・・。
A級ゲートに入った記録でもあれば疑われるに済むかもしれないけど・・・
そう思った旬だが、
E級が上級レイドに混ぜてもらえるわけもなく・・・。
そうは思っても探してみる旬であった・・・。
ハンター協会にてー
旬のプロフィールが後藤会長と犬飼課長が見ていた。
4年前のデータでプレイヤーになるまえの旬だった・・・。
犬飼課長が
「E級の中でも再開に属していながら四年もハンターとして活動してきた記録です。」
これをみた後藤会長は
「自殺行為だっただろうに・・・不正登録では?」
そういった犬飼課長は
「一緒にレイドに参加したことのあるハンターによりますと、疑わしい点はなかったとのことです。」
と言う。後藤会長は心配そうに
「しかし四年だぞ。S級への再覚醒が最近起きたわけではないかもしれない。」
と言うも、犬飼課長は
「でしたら二重ダンジョン事件の際にレイドのメンバーが死んでいくのを黙って見ていたはずがないと思われます。」
あくまで真実を言う犬飼課長だった・・・。
何度も怪我をしながらよく耐えたと後藤会長はほめていた・・・。
母親の治療費を支払いがあったからやめれなかったと犬飼課長は言う。
最近ではなかなか見ることのできないような青年だと後藤会長は本当にほめていた。
「失踪した父親の代わりに病気の母親と妹を一人で養っていたとは・・・」
と後藤会長は旬を何度も褒めていたが、
「会長、実は水篠ハンターがレイドチームに入ったという報告がありました。」
「もう?」
犬飼課長が場所を言う
「ハンタースギルドのレイドチームです。」
その言葉に後藤会長は
あのようなことは言ってたがハンタースの巨額の契約金に釣られたか・・・
と思ってやっぱり金か・・・というような顔をしてた・・・。
犬飼課長は続けて言う。
「その情報によりますと・・・。
水篠ハンターは攻撃隊ではなく、”発掘チーム”に入ったそうです。」
この言葉を聞いた後藤会長は唖然としていた。
「S級ハンターが鉱員に・・・?
本当に捉えどころのない青年だ・・。」
ゲート前にてー
「E級ですって?」
と発掘隊の人が旬に言う。
いろいろ聞かれたりしたが、この発掘隊の人は旬のような人は大勢いますよと伝え旬に安心させていた。
上級ダンジョンは規模が大きく攻撃隊だけでは任務を終えることができないため役割別にチームが分かれている。
ダンジョンを攻略する”攻撃隊”
ダンジョンの中の鉱石を掘る”発掘チーム”
モンスターの死骸を回収する”回収チーム”
発掘チームと回収チームはボス以外のモンスターをすべて倒してもらってからダンジョンの中に入る。
かなりの人数が投石されるのは電動の機械がダンジョン中では作動せず、すべて人力での作業となるからだ・・・。
ちなみにその武器にも魔力がかけられているのだ・・・。
ゲートを前にして
「これがA級ゲート・・・。」
上級ダンジョンでの戦いを見てみたい。
と思ったので旬はちょうどよかった。
来てよかった。
いつか俺も潜ることになるだろうから。
と旬は思っていた。
ダンジョン内にてー
ハンタースと言えば最上代表率いる攻撃隊
最上代表が最強兵器の火炎魔法が炸裂する・・・。
軽々とモンスターを倒していく最上代表。
その威力はすさまじく、ボス以外は即死だった・・・。
そういって最上代表の前にタンクが集まり、盾で防御する。
メンバー一同はいつもこう思うのだった・・・
すごすぎる・・・いつ見ても凄まじい威力だ・・・。
ダンジョン外にてー
「攻撃チームはまだか?もうすぐなんじゃなかったのかよ。」
と発掘チームと回収チームは待ちわびていた。
皆の安全のため、中にいるモンスターを全滅させてから入る回収チームと発掘チーム。攻撃隊が手を抜いて作業中にモンスターがでてきては大変なことである。
外では発掘チームのリーダーとハンター協会の人が話していた。
話をしてるうちに攻撃隊がゲートからでてきた・・・。
旬が現状最強メンバーであるハンタースの攻撃隊のメンバーを見る・・・。
「ハンタースのナンバー2も出てきたぞ!」
という声に反応する旬。
あの女の人が・・・
ハンタースの副ギルドマスター・・・!
感想
今回は悪魔の城へ行くための装備集めですね・・・。
貧欲の玉を売るための口実としてA級ダンジョンへいこうとする旬。
そこで出会ったのが・・・ハンタースの攻撃隊のメンバー!
その中の副ギルドマスターとは・・・!?
今回も気になる終わり方ですが、本当にこの俺だけレベルアップな件は面白いですよね。あらすじだけでこの面白さ伝わるのだろうか・・・(´・ω・`)