第１０５話 白川社長と美濃部ハンターの感動の一面とそれを思いやる旬のやさしさ
最上ハンターも白川社長と同様に
「まさか・・・水篠ハンターは亡者の力を利用することができるのですか？」
みんな疑問に思い始めた・・・。
どうやら旬の能力は死者を操る力で召喚しているのだと・・・。
美濃部ハンターの影は旬の命令を待つまでもなく、雫に近づく・・・。
そして雫を治すために回復魔法を唱え始めた・・・。
白川社長がそれを目撃して
剛が・・・向坂ハンターを？
とてもやさしい顔をしていた・・・。
しかし白川社長は
「あれはもう・・・剛ではありません。」
ととても悔しそうだった・・・。
その表情を見た旬は
「・・・・・そうですね。」
と冷たい表情をする。
その会話を見たカメラマンは
亡者を召喚できるのか？信じられない・・・。
だからカメラを止めろと言ってきたのか。たしかにこんな力を放送するわけにはいかないよな・・・。
と旬に言われたことを理解していた。
最上代表もまた
戦いが激しさが増せば増すほど強くなる力・・・なんて恐ろしいんだ。
と考え始めた。
白川社長は旬の肩に手を置いたまま、
「あなたにはこれからもいろんな試練が待ち受けていることでしょう。
剛の力は役に立つと思いますが・・・
剛は・・・戦うのが苦手だったんです。
あいつをまた戦場に立たせるなんてことは・・・
してほしくありません。」
と旬にお願いをしていた・・・。
これは白川社長なりの美濃部ハンターの気持ちなんだろうか・・・。
少し考える旬。
少し考え終わったのか
「二度目です。」
と言って白川社長の手を払いのける。
「白川ハンターが俺の肩を掴んだのは・・・。
ただ一度目と違うのは
命令ではなく切実な願いだってこと。
俺も白川ハンターと同じ考えです。」
そういって旬は美濃部ハンターの影に近づくと
「抽出解除。」
旬が抽出解除と命令をすると美濃部ハンターの影は白川社長を見つめる・・・。
白川社長もまた美濃部ハンターの影を見つめる・・・。
そして悲しい表情を漂わせる・・・。
今すぐにでも泣き出しそうな白川社長だったがそっと笑う・・・。
消えゆく美濃部ハンターの影も笑顔のまま消える・・・。
白川社長はそっと後ろを向き
「ありがとうございます。」
と旬にお礼を言ったのだ・・・。
日本のハンターの迎えのヘリがやっとやってきた・・・。
「あっハンター達が出てきました！」
とヘリに乗ってきた男が言う。
町田が雫を抱きかかえ、白川社長は美濃部ハンターの死体を持ち、皆雨に打たれながら悲しい表情をしていた・・・。
全員がヘリに乗ろうとするも旬は
「まだやるべきことが残ってますから・・・。」
と言うと
「そうでしたね。まだ・・・。
完全に終わったわけじゃなかったですよね。」
そういって二人共空を見上げる。
旬が
「みなさんが通れるように道を開けてから残りを片付けます。
カイセル。
それではまた後ほど・・・。」
カイセルに乗り、上空へと飛び立つ旬。
そのままアリが飛ぶ中を突っ切る旬。
ＤＦＮのハンターが乗る船にてー
ルノーが再び
「あれは・・・怪物だ。おまえらにはわからないだろうな・・・。リューさんが・・・リューさんんがあいつにやられるのを見てないお前らには・・・！
絶対に勝てるわけがない。このレイドはもう人間の負けなんだよ！あんな怪物を倒せるハンターは・・・。」
と最後まで待たずにレイジが
「安心しろ。架南島レイドは・・・終わった。
あの怪物も死んだよ。」
この言葉にルノーは
「そ・・・そんな・・・！」
レイジが事実を伝える。
「さっき日本側の司令部から連絡があったから間違いない。」
レイジがリューの言った言葉を思い出す・・・。
レイジ・・・日本にもすごいハンターがいるんだな。
ハハッそれでもリューさんより下でしょう。
さぁ・・・それはどうだろうか
どのハンターですか？
この言葉を思い出しながら
水篠 旬・・・
そう思っていると船の乗組員から
「アリ達が四方八方に散らばってます！」
そう言うとレイジが
「まだ（アリの）生き残りがいるのか！」
と言い、
「全員戦闘準備！」
と伝える・・・。
旬の影の兵士と生き残りのアリ達が戦闘を繰り広げる・・・。
影の魔法兵たちがアリ達を焼き払う・・・。
これ以上増えないためにも産卵場にて卵を焼き払っていた・・・。
旬はそれをみて
「孵化する前のアリたちからも経験値がもらえるのか・・・。これはうれしい誤算だ。
インベントリ。」
そういってインベントリを開く旬。
「そろそろここの整理もしないと・・・んっ？これ・・・。」
そういって取り出したものは・・・
悪魔王の大剣だった・・・。
完全に忘れていた旬は大剣を取り出し、使ってみる・・・。
意外とすごかったのか
気に入ったのか残りの卵を悪魔王の大剣で片づけたのだった・・・。
アメリカハンター協会にてー
アメリカでも架南島レイドの中継は放送されていた。（全国放送だったから。）
「いかがですか？局長」
と男が言うと、
「夢中になって観ていたらいつの間にかもう四時だ。」
そう答えたのはアメリカのハンター管理局 局長のデイビット・ブレナンだった。
デイビット局長が
「私がその質問にどう答えるかわかっているからこの時間にうちに来たんじゃないのか？マイケル。」
局長の隣にいたのはマイケルという男だった・・・。
マイケルが
「数百もの味方を召喚するハンター・・・聞いたことありません。日本のような小さな国にいるにはもったいない人材かと思われます。」
デイビット局長は
「同感だ。他に何か情報は？」
と言うと、
「数か月前に起きたハンター管理局爆破事件。別名”ミズシノ事件”。」
そういってファイルを出す。
「あれはアメリカ東部で発生したＡ級ゲート内でＡ級ハンタージェームズにより発見された謎の生命体が関与している事件でしたが、
その人間なのかモンスターなのか定かでない生命体が日本人ハンターを名乗っていたのを思い出し、管理局で保管していた当時のデータを調べてみると、彼とシュン・ミズシノは親子だったことがわかりました。」
「他の国がシュン・ミズシノの名前すら知らない今がチャンスではないでしょうか。」
といいデイビット局長に一枚の紙を見せるマイケル。
「これはウキョーのときとは違う。」
契約金なのだろうか・・・。
デイビット局長は
「日本は古くからアメリカの同盟国だ。
一つの国から二人のＳ級ハンターを連れてくると言うのはその関係に終止符を打とうと宣告するようなものではないか。」
というもマイケルは
「ですが、それだけの価値がある人物です。」
そう言うとデイビット局長は目をつぶって考える。
「できるか？」
目つきが変わるデイビット局長。
マイケルが
「やってみましょう。」
アメリカのハンター管理局で旬の話題がでているとは日本のハンター管理局は誰も知らなかった・・・。
通知より
【レベルがアップしました！】
「これでレベルが１００到達か・・・。」
と悪魔王の大剣を持ったまま旬が言う。
【名前：水篠旬】
【Lv.100】
「ついに・・・。」
とLv１００達成になった旬がとあるアリの死骸を見ると・・・
「こいつすごいオーラを放ってるな。」
とオーラを出していたのはアリの王だった・・・。
旬が試しに
「起きろ。」
というと
一瞬あたり一面に闇が広がる・・・。
「なんだこの闇？なんも感じない・・・。」
と旬が言う。
「こいつの抽出中に何か起きたのか・・・？まさか・・・失敗？」
闇が消えると
「あっ、戻ってきた。」
と旬が言う。
アリの王を見ると通知より
【影の抽出】に成功しました
影のアリの王の姿を見て旬が
「失敗したのかと思っただろ。」
こうしてアリの王が影の兵士へと加わったのだ・・・。
【？？ Lv.1】
将軍級
影のアリの王が旬に向かって膝をつき、敬意を表していた・・・。
感想
今回は悲しい会ですね。
白川社長と美濃部ハンターの影。
別れ際に見せるほほ笑み。
泣きたいけどグッとこらえているあたりが漢だなって思いました。
アメリカの管理局はやっぱり旬の力に目をつけましたね。当時は右京 将人もそれほど実力が高かったからこそアメリカに行ったのだろうか・・・。
架南島レイドが終止符に近づくも何やら怪しい話題がありましたね。
そして旬の影の兵士にアリの王が・・・！
旬の影だけでどれだけS級が増えるのだろうか・・・。
