第29話 道門のたくらみと真島さんの気持ち
代役服役者の手錠が外れ、ハンター協会 監視課の道門 泰星(みちかど たいせい)が馬淵さんに挨拶をする。
二重ダンジョン組で会話をし、馬淵さんは二重ダンジョンの思いがあったので
「ありがとうまた機会をくれて。」
と旬に言い、頭を下げた。
馬淵さんはここでもやもやになったことを旬に謝罪する。
「あの日・・・私のせいで11人も亡くなったが、君のおかげで6人が生き残った・・・。全員を守ることができなかった私の責任は大きい・・・。生き残ったハンター6人を代表して言わせてくれ。」
「心から感謝している。」
旬は咄嗟のことに
「馬淵さん・・・頭を上げてください。」
と言い、
「真島くんも不満はないかね?私がリーダーをしても・・・」
と馬淵さんは改めて真島さんにも許可をもらう。
「好きにしてください・・・。」
未だ二重ダンジョンでひっかかりがある真島さんだったが馬淵さんは真島さんの様子を見るように見つめていた・・・・。
ーダンジョン内・・・
モンスターはゴブリンでいっぱいだった。
代役服役者の人たちは面白くない・固まって来いだの荒い戦いを繰り広げる。
それをみた馬淵さんは
「一体どっちが人間でどっちがモンスターなんだ・・・」
と言うも火属性攻撃でモンスターを焼き払うのだった・・・。
真島さんが「馬淵のおっさんもまるでモンスターだな・・・」と言うと
「真島くん。君は剣士だというのに剣の構え方がそれじゃいかんだろ・・・。」と指摘する。
「出た出たリーダー発言。」
と冗談に言う真島さん。
そして馬淵さんは
「ものは考えようだ。命からがら帰還した生存者がまた集結したのも何かの縁。水篠くんも強くなったな。どこでそんないい短剣を手に入れたんだ?いつも素手で戦っていたというのに・・・。」
と旬に向かって冗談を言うも
「言われてみれば水篠さん今日まだ一度も怪我していませんね。格闘技でも始めたんですか?」
と観月さんが旬に向かって言う。
「最近、運動は毎日してます。」
と笑いながら答える旬だった。
「私の知る水篠さんじゃないみたいです。」
と観月さんが答える。
馬淵さんがここで考える。
冗談で言ったつもりだったが確かにかなり変わった。外見だけでなくオーラまで・・・
本当にあの水篠くんなのか?
前までは頼りないどころじゃなかったというのに今では余裕すら感じられる・・・
一方観月さんは・・・ゴブリンですら怯えるほど心の傷が深いようだ・・・。
もったいないがハンターは引退するしかないだろう・・・
馬淵さんが考え事をしているうちにダンジョンでは分かれ道があった。
道門が「範囲度が思った低いんで三つに分かれて進みません?リスクは多少増えるでしょうが、その分早くクリアできますし・・・。」
と馬淵さんに伝えると
「・・・・そうしましょうか・・・・。」
と馬淵さんは答える。
「僕は服役者たちと右に行くのでもしボスの部屋を見つけたらすぐに知らせに来てください。」
と道門はまた馬淵さんに伝える。
旬の感覚能力により旬はボスの部屋を一瞬で見分け、
「馬淵さん、俺たちは左側に行きましょう。」
とボス部屋の方へと行こうとすると・・・
道門がニヤッと不気味な笑顔を旬に見せる。
旬はよくわからずも、左側に馬淵・観月・旬、真ん中に真島さんと生き残りメンバー、道門と服役者たちは右側へと進んでいった。
旬は
ボスはこの先にいる。ゴブリンでは経験値が上がらないからボスを倒したい・・・だけど今はそんなことより・・・
さっきのあいつの方が・・・
気になる・・・
と考えていた。
ここで道門は自らの計画に移す・・・。
場面は切り替わり、真島さんたちー
無事に終わればいいですねーという話をすると旬が最弱兵器が来たからこのダンジョンはランクが低い。前はそういって安心したもんだ・・・
という話をしていたが
二重ダンジョンのことを思い出し、
必ずしもそれが当てはまるわけではなかったが・・・
と悲しく言うと、真島さんは
「よし決めた。レイドが終われば俺も水篠の兄ちゃんに頭を下げ謝罪する。」
と真島さんは話していた。
「ほかのチームはどこまで進んだだろうか?」
と話をしてるうちに
「な・・・・なにっ!?」
果たして真島さんたちが見たものは・・・
感想
今回も半分は馬淵さんの話でした。しかし真島さんもずっと逃げていたことに引っ掛かり、やっとの思いで謝罪をしよう・・・許してもらえるまで何度でも・・・という素直な気持ちになりました。
後ろめたい気持ちもあるけれど、そこは大人だなぁ・・・って思います。
果たして真島さんたちがびっくりしてみたものは何だったのか・・・次回それが明らかに・・・!?